ちょっと長めのショートご利用Aさん。
あんきの畑が賑やかになるにつれ、ソワソワ、そしてイライラ。
「へー、帰らんと、息子じゃ心配な。俺が行ってやらんと困っとるで、昨日、夜あんちゃが明日つれついってやるって言ったけど信じられんのな。どうか電話してみてほしいんな」
朝出勤すると、すがるような目で訴えて来られた。
そうだよね、この目で安心しない限りAさんは心を痛める。
家族、ケアマネさんに相談して、ドライブでってことで一回家の様子を見に行くことにした。
行ってみて、わかったんだ。帰りたい意味。理解しなきゃいけない自分の立ち位置。
こんな風景に囲まれて去年まで田畑を自分で賄っていたAさんには、あんきでの自分を受け入れられない。
家が心配で仕方ないんだよね。
息子さんがしっかり田畑を守ってくれていることを感じたのか自分で安堵して帰途のくるまにのってくれた。
帰りの車の中で饒舌に地元の自慢話をしてくれた。
ねーちゃ、ありがとな。これでもうちょっと頑張るわ。…何も言葉はでなかった。
夕方ショートのフロアで皆でぼうずめくりをしているAさんの笑顔。今日の宝物。